さとびごころ44号(2021年冬号)、
都祁の酒蔵である倉本酒造さんを取材して
原稿を書かせていただきました。
恥ずかしくて開けません。
倉本さんは、
8年前、私たち家族が都祁に移住したとき
お隣さん…とは言えないほど遠く離れているけど
実質お隣さんでした。
ご主人(今では隠居して先代さん)は、
頑固一徹オヤジな風貌だけど
話をするととても気さくで
恥ずかしがり屋の一面もあり
蔵と酒への愛深い人です。
そして奥様は、
ちゃきちゃき動くその姿が
酒蔵を切り盛りする立派なお母さんで、
嫁いでから今まで
苦しいときもあったはずなのに
その影を微塵も感じさせず、
いつも同じ笑顔で迎えてくれます。
そして、現当主である倉本くんは、
蔵に帰ってきて初めて会ったとき
あまりに都会的なシュッとたスマートボーイすぎて
私は『えぇぇえ~!!』となり、
でも、5年ほどたった今、
倉本くんの存在感が
お父さんの存在感に近づいてきて
それはお父さんに似てきたとかじゃなくて
これが『倉本酒造蔵杜氏』の姿、
思わず遠い目になってしまいます。
蔵付きの菌たちは
蔵も人間も歴史も時間も
何でも醸してしまう。
倉本家そのものが
倉本酒造の酒なんだろう。