都祁自然食品屋まめのんき、
お年ごろの39歳、酒好き。
ただ『羽間さんの米の酒が飲みたい』というだけで
都祁吐山町は倉本酒造さんへ
都祁南之庄町は羽間農園さんの自然栽培米を大人買いして持ち込んだのは
三年前のこと。
一番小さい仕込み樽でお米270キロ也。
毎年、羽間さんとともに
ちょこちょこと邪魔してんだか何してんだかのように
作業を手伝わせてもらい
小さな酒蔵の酒づくりは
毎年少しずつ味が変わる。
三年目、変わるのはお酒だけでなく…。
倉本さんの息子さんが跡継ぎに。
蒸し米の湯気に浮かぶダブル杜氏の姿は
まぶしくうっとりするような絆。
そしてさらに、羽間さんにはお嫁さんが。
夫婦櫂いれ。
櫂をいれる羽間さんにそっと寄り添う奥さんの姿は
やさしくほわっとするような甘くせつない絆。
どこもかしこも後継者不足。
何かと言えば、
どんよりイメージがちな中山間地。
でも、本当はうれしいたのしい話題もいっぱいあるんです。
仕込み終了後のもろみ。
美しい乳白色。
そして、10日ほどたったもろみ。
耳を澄ますとプチプチと泡のはじける音。
ここちよく漂う甘いかおり。
今年はどんなお酒になるんだろう…。